日本IBMは、6月に発売したハイブリッド統合プラットフォーム「IBM webMethods Hybrid Integration」のワークショップを開催。この製品は、IBMの自動化戦略において重要な役割を担っています。
日本IBM テクノロジー事業本部 オートメーション・プラットフォーム事業部 事業部長の上野明子氏は、IBMのオートメーション製品のビジョンを説明:"AIを活用した自動化によって、企業がITをより戦略的に活用できるようにし、競争力を強化するとともに、自動化を企業ITの強力なツールとする機能を盛り込むことを目指しています"IBMは自動化製品を4つのカテゴリーに分類しています:IT投資管理を最適化する「Invest」、アプリケーション開発のためのハイブリッド統合プラットフォーム「Build」、インフラのライフサイクル管理を行う「Deploy」、ITの自動化と運用管理を強化する「Manage」。今回取り上げるIBM webMethods Hybrid Integrationは、「Build」カテゴリーの製品です。
IBM webMethods Hybrid Integrationは、iPaaS(Integration Platform as a Service)製品です。iPaaSは、コーディング不要でインテグレーション開発を簡素化できること、多数のクラウドコネクタを提供できること、REST APIを組み合わせて迅速にビジネス価値を創出できることなどで注目を集めています。しかし、「iPaaSには課題もある」と説明するのは、日本IBM テクノロジー事業本部 オートメーション・プラットフォーム事業部 シニア・オートメーション・テクニカル・スペシャリストの恩田博仁氏。iPaaS製品はREST APIアクセスを基本としていますが、必ずしもすべての企業システムがAPIベースになっているわけではなく、オンプレミスでのアクセスは困難です。また、iPaaSのユースケースは限られており、REST APIだけですべての統合が実現できるわけではありません。「iPaaSだけですべてを実現しようとすると、全社的な統合の合理化という本来の目的が果たせず、プロジェクトや部署ごとにツールが乱立することになります」と恩田氏。彼は、ハイブリッド環境を念頭に置いた意図的なアプローチである "ハイブリッド・バイ・デザイン "の必要性を強調しています。「ツールに関しては、さまざまなツールを統合的に管理する必要があります。IBM webMethods Hybrid Integrationは、その目標を達成するために設計された製品です。IBM webMethods Hybrid Integrationの中核となるのは、ハイブリッド・コントロール・プレーンです。オンプレミスとクラウドのシステム統合機能を1つの画面で一元管理し、環境管理、ユーザー管理、ランタイム統合、モニタリング、接続管理をSaaSとして提供します。アプリケーション・インテグレーション、イベント・ドリブン・インテグレーション、API管理は、IBMが管理するサービスとして利用することも、お客様のお好みの環境で実行することもできます。
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IBM webMethods Hybrid Integrationは、企業全体に散在する統合ランタイムを分類して可視化し、統合資産の場所と利用を管理し、ツールのスプロールを制御するスプロール管理も提供します。また、エンドツーエンドのモニタリング機能も備えています。統合ランタイムの監視と管理に加え、各トランザクションのステータスも監視できるため、パフォーマンスのボトルネックの特定に役立ちます。また、さまざまな統合機能を提供しており、そのひとつがアプリケーション統合です。APIやクラウドサービスを迅速に統合するためのiPaaS機能を提供するだけでなく、iPaaSで開発したフローをどこでも実行できるようにするEdge Runtimeというコンポーネントも提供しています。また、Enterprise Service Busは、メインフレームなどさまざまな基幹システムとの高度な連携を実現します。API管理機能も備えており、REST APIを制御しながらAPIを最大限に活用できる環境を提供します。コントロールプレーンでは、複数のAPIゲートウェイを統合管理でき、IBM製品だけでなく、AWS GatewayやAzure API Management Serviceにも対応。また、AIサービスを可視化するAI Gateway機能も提供。ゲートウェイはAI機能を一元管理し、ポリシーの適用、アクセス制御、データマスキングを行います。また、AIの利用状況やコスト動向を可視化する分析ツールやダッシュボードを提供。既存のREST API定義からMCP(Model Context Protocol)を生成する機能も搭載。既存のREST API定義からMCPサーバー機能を生成し、AIエージェントが外部システムとやり取りできるようにします。
これにより、生成されたAIはAPI対応のビジネスプロセスと対話し、AIが自動的にビジネスプロセスを実行できる環境を構築できます。また、REST APIと同様にKafkaイベントを制御、カタログ化、可視化するイベントドリブン処理機能を搭載。これにより、社内外から詳細なイベント情報やサンプルソースコードにアクセスすることが可能になります。 アイビーエム これらの機能を提供するwebMethods Hybrid Integrationは、「ハイブリッドをデザインで具現化した製品です。「統合機能をあらゆる場所に配置し、アプリケーションに最適な環境を実現します。統合機能をコントロールプレーンで一元管理し、統合資産をカタログ化してセルフサービス化することで、コンポーザブルITを実現します。また、AIを活用することで学習コストを削減し、開発の生産性を向上させます。"
ソース ヤフー

