富士通は、スーパーマイクロコンピュータ株式会社、日本電計株式会社と、データセンターのエネルギー効率を向上させ、世界トップレベルの電力利用効率を実現するために協業することに合意したと発表しました。今回の協業により、Supermicroの高性能GPUサーバと、富士通が40年以上にわたり世界トップクラスのスーパーコンピュータやミッションクリティカルなサーバで培ってきた知見やノウハウをもとに開発した水冷ハードウェア技術や水冷監視制御ソフトウェア、NIDEKの高性能・高効率な冷却システムを組み合わせることで、エネルギー効率の高いデータセンター運用を実現するソリューションを開発します。また、富士通の館林データセンターで本ソリューションの有効性を検証し、2025年度第4四半期までに世界トップレベルのPUEを実現するデータセンター環境の提供を目指します。
近年、AIの急速な普及によるコンピューティング需要の増大に対応するため、世界各地でデータセンターの建設が相次ぎ、電力供給の増大が大きな社会問題となっています。その背景には、AIサーバーで使用されるGPUの演算量増加による発熱の増大があり、その冷却に膨大な電力が使用されています。現在、多くのデータセンターで採用されている空冷方式の平均PUEは1.6、水冷方式の平均PUEは1.2( 注3 )と、冷却効率は高い水準にあります。しかし、水冷方式のシステム設計・構築・運用には高度な専門知識とスキルが必要なため導入が難しく、普及が進んでいないことが課題となっています。
上記の課題に対し、高度な水冷技術と知見、ソフトウェア技術に強みを持つ富士通、GPU搭載AIサーバーで世界トップシェアを誇るSupermicro、そして ニデック水冷モジュールシステムおよび周辺機器において高い信頼性を誇る旭硝子株式会社と連携し、データセンターにおける冷却消費電力の削減を目指します。
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今回の協業により、3社はデータセンター全体のエネルギー効率を向上させ、持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。
富士通は、長年培ってきた水冷技術とノウハウを活用し、データセンターのトータル冷却ソリューションサービス「FUJITSU Liquid Cooling Management for Datacenter」を2025年度第1四半期より開始します。本サービスは、データセンターへの水冷導入を検討されているお客様や、データセンターのさらなる省電力化を検討されているお客様を対象としたものです。導入・計画段階から構築・運用・保守に至るライフサイクル全体をワンストップでサポートし、ハードウェアからソフトウェア、保守サポートまでをカバーする、初期投資コストを抑えたオールインワンのサブスクリプション型サービスです。
将来的には 富士通 を含め、対応サーバーを順次拡大していく予定です。 スーパーマイクロまた、水冷監視制御ソフトウェアに高度なAIを活用するなど、先進技術を活用した機能向上やサービス強化により、データセンターの環境負荷低減に貢献していきます。
ソース 富士通