富士フイルム株式会社は、ペプチド-オリゴヌクレオチド結合体のがん細胞ターゲティング能の検証に成功したことを発表します。この検証は、オリゴヌクレオチドと、富士フイルムが独自に開発した数兆種類のペプチドを含むペプチドライブラリから作成した環状ペプチドを結合させたものです。本研究成果は、5月19日から2025年5月22日までサンディエゴで開催される展示会「TIDES USA」で発表します(ポスター番号:35)。
非天然アミノ酸を含む環状ペプチドは、高い結合親和性と特異性、組織透過性の改善、合成の多様性など、そのユニークで有利な特性により、創薬における有望な新しいモダリティとして台頭してきています。ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲーションは、ペプチドの優れたデリバリー特性を利用することで、オリゴヌクレオチドベースの治療に関連するデリバリーの課題に対処するもので、活発に研究されています。
富士フイルムは、mRNAディスプレイ技術で構築した大規模ペプチドライブラリーと構造最適化技術を駆使し、がん細胞表面に過剰発現しているインテグリンに強く結合し、解離定数(KD)が1.6nMと低い独自の環状ペプチドを開発しました。富士フイルムは、化学修飾法を利用して、ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを高収率で合成することに成功しました。このペプチド-オリゴヌクレオチド結合体のがん細胞への取り込みは、非結合オリゴヌクレオチドの取り込みと比較して高く、ペプチド-オリゴヌクレオチド結合体ががん細胞に選択的に蓄積する能力があることを示しています。
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富士フイルムは、ペプチド治療薬の創薬サービスをグローバルに展開しており、ペプチドの探索、ハイスループット・スクリーニング、構造最適化を中心とした幅広い研究受託サービスを提供しています。ペプチドの化学合成から標的タンパク質の発現・精製までをワンストップで提供し、多様な研究ニーズに対応します。 富士フイルム は、環状ペプチドの細胞機能制御能や特異的な分子認識能を活用し、ヘルスケア分野における技術革新を促進する研究開発を推進し、ペプチド医薬品の開発促進に貢献します。
ソース ビジネスワイヤー