株式会社アグリショットは、和歌山県が主催する「2024先駆的産業技術支援事業」において、果樹栽培における病害虫発生予測システムの開発・実証事業に採択されました。本事業により、果樹栽培の課題である病害虫の効率的な防除を実現するため、最先端のAI・IoT技術を活用して病害虫の発生を予測し、最小限の農薬散布で効果的に防除できるシステムの実用化を目指します。
現代社会では、世界的な環境意識の高まりに対応しながら、社会的課題の解決と事業の成長を両立させることが企業に求められています。EUは「Farm to Fork戦略」において、2030年までに農薬使用量を50%削減する目標を掲げており、環境に配慮した農業への転換は世界市場において喫緊の課題となっています。日本でも、農産物輸出額10兆円という目標を達成するためには、国際的な認証基準を満たした持続可能な農業生産体制の構築が不可欠です。持続可能な農業生産のためには、農薬による病害虫防除が不可欠であることに変わりはありませんが、最適な散布タイミングでの効果的な防除による農薬使用量の削減への取り組みが重要視されています。日々の農作業において、最適なタイミングで農薬を散布することで、農薬の防除効果が高まり、農薬使用量の削減、農薬コストの削減、収量・品質の向上につながります。
全国の各研究機関の調査結果をもとに、気温・湿度・降水量などの環境データから病害虫の発生を予測できるウェブアプリケーションを導入し、県内の産地を中心に約100カ所に環境モニタリング装置「アグリショット」を設置することで、カイガラムシ、アザミウマ、黒点病などの主要病害虫の発生を事前に察知し、果樹農家が最適な時期に効果的に農薬を散布できるようにします。
ソース PRTIMES