アークティックウルフは、4日にサイランス社の事業買収を完了し、日本市場への本格参入を開始すると発表しました。日本におけるサイランス社の事業を引き継ぎ、さらなる事業拡大に注力するとのこと。2012年に設立されたアークティックウルフは、米国ミネソタ州イーデンプレイリーを拠点とする大手セキュリティオペレーションセンター(SOC)サービスプロバイダー。従業員数は約3,000名で、そのうち約800名がセキュリティエンジニアです。世界80カ国以上に1万社以上の顧客と2,000社以上のパートナーを有しています。同社のSOCは毎週8兆件以上のセキュリティ・イベントを処理し、年間約600件のセキュリティ・インシデント対応サポート・ケースを処理しています。同社が買収したサイランスは、機械学習とAIを活用した次世代エンドポイントセキュリティソフトウェア製品を開発する老舗企業。2019年のブラックベリー買収後、同社のサイバーセキュリティ部門として展開。
Arctic Wolf社は、BlackBerry社が自動車向けの組み込みソフトウェア事業に注力するために再編を行った結果、Cylance社の事業を買収しました。同日の記者会見に登場したニック・シュナイダー社長兼CEOは、多くのサイバーセキュリティベンダーが製品やプラットフォームを軸にビジネスを展開するのに対し、サイランスはSOCを中心としたセキュリティ運用を軸にプラットフォームや製品を拡大してきたと説明。「私たちの使命は、お客様のセキュリティ対策を機能させることです。現在のセキュリティ・ソリューションは複雑でサイロ化されていますが、私たちはこの問題を解決し、お客様のセキュリティ投資をより効率的で効果的なものに改善することができます」と述べました。また、サイランスが位置するエンドポイントセキュリティ製品市場については、「すでに成熟しており、製品は複雑で、ベンダーのエコシステムは閉じています。今は変革期であり、サイランスのAI技術をプラットフォームに統合することで、膨大な攻撃対象領域を保護するデータ基盤を強化し、顧客の保護を強化することができます。サイランスはAIで高い実績を持ち、顧客やパートナーから高い支持を得ており、特に日本市場では主導的な立場にあります。"
アークティックウルフは、SOCを中心としたセキュリティサービスのプラットフォーム「Aurora」を開発し、脅威検知・対応などのマネージドサービスや教育トレーニングサービスを提供しています。Cylance社の買収により、エンドポイントプロテクション(EPP)と脅威検知・対応(EDR)が追加されました。EPP製品「CylancePROTECT」は「Aurora Protect」、EDR製品「CylanceOPTICS」は「Aurora Endpoint Protect」に名称を変更しますが、従来通り提供します。また、両製品の運用をマネージドサービスとして提供する「Aurora Managed Endpoint Defense On-Demand」と「Aurora Managed Endpoint Defense」を新たに追加しました。「当社のセキュリティ運用ノウハウとCylance社のエンドポイントプロテクションにおけるAIを組み合わせることで、より強固なセキュリティを実現し、効率的かつ効果的にお客様を保護したい」と述べています。アークティックウルフの日本担当副社長には、旧サイランス日本法人時代からビジネスマネージャーを務めてきた吉本勉氏が就任。吉本は、「2度目の買収ですが、(事業主体が異なる)ブラックベリーとは異なり、世界最大のSOCを持つセキュリティ専門企業であるアークティックウルフの一員になれたことを嬉しく思います。買収された立場ではありますが、アークティックウルフは日本のビジネスに理解を示してくれており、日本独自の取り組みも含め、スムーズに新体制に移行することができました。"
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吉本によると、サイランスの買収が完了した翌日の5日には、契約更新のために アークティック・ウルフ が開始され、マネージドサービスの新メニューが国内でも受け入れられました。国内の顧客・パートナー約2,000社がスムーズに新システムに移行することができました。今後は、特に国内事業において、EDR製品およびマネージドサービスの拡販に注力。シュナイダーは、"日本への投資を強化し、特にお客様をサポートするためのリソース(人材等)を充実させていきます。"と述べています。
ソース ヤフー