三菱電機株式会社とナノファイバー・クォンタム・テクノロジーズ株式会社(Nanofiber Quantum Technologies Inc.NanoQT社は、共同プロジェクトを開始すると発表しました。このプロジェクトでは、中性原子量子コンピュータの相互接続技術の開発に焦点を当てます。
中性原子量子コンピュータは、そのスケーラビリティにおいて際立っています。これは、高集積化と光ピンセットによる原子セットアップの柔軟な制御のおかげです。このような強みをもってしても、1つのシステム内の量子ビット数には限界があります。これは主に、原子を配置する十分なスペースがないためです。大規模な量子コンピュータを実用化するには、複数の量子コンピュータを接続する必要があります。そうすれば、使用可能な量子ビットの総数が増えます。
このプロジェクトで両社が目指すのは、フォトニック量子インターフェース。両社は三菱電機の量子ビット制御技術と ナノファイバー量子テクノロジーの独自技術。この技術は、イッテルビウム(Yb)原子とナノファイバーキャビティを使用します。この共同研究の目標は、中性のYb原子を使用する量子コンピューター間の高効率リンクを示すことです。
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この努力の鍵は、原子-光子界面を作ることです。このインターフェースは、ナノファイバーキャビティとの原子-光子相互作用を改善します。この改善により、量子もつれを作り出す方法が大幅に向上するはずです。このもつれは量子システム間の通信に不可欠です。また、ナノファイバーキャビティに複数のYb原子を格納することで、エンタングルメントを並列に共有することも検討されます。
三菱電機株式会社の量子ビット制御技術は、量子コンピュータの接続に役立ちます。これらの技術革新により、量子コンピュータ間の高速・大容量通信が可能になると期待されています。