デロイト トーマツ グループは、日本における量子産業の発展を目指し、米国の量子コンピュータ開発企業であるQuEra Computing Inc.と戦略的協業を開始しました。本協業は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社を通じたQuEra社との資本提携によりさらに強化され、産学連携による量子ソリューションの開発・普及・社会実装を推進していきます。
量子技術は、従来数百年、数千年かかっていたコンピュータの情報処理や計算を数ヶ月から数時間で可能にするなど、幅広い分野で社会や産業にイノベーションをもたらすと期待されています。近年の技術の進歩により、量子技術の実用化が現実味を帯びてきており、日本も世界に先駆けて量子技術の革命に備える必要があります。このような背景のもと、両社は、技術啓発や人材育成の面からも裾野を広げ、産学やスタートアップにおける取り組みを加速させるため、日本国内において以下の活動を実施します。
量子コンピューティング技術の認知度向上を共同で推進
量子人材を育成するためのインフラと機会の創出。
アカデミアとの共同研究の創出。
産業界と協力してユースケースを作成。
量子スタートアップの創出と育成
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QuEraは、有望な量子コンピューティング手法として広く認知されている中性原子を用いた量子コンピュータの開発と商業化を主導しています。ボストンを拠点とし、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の先駆的な研究に基づき、QuEraは世界最大のパブリックアクセス可能な量子コンピュータを運営しており、主要なパブリッククラウドとオンプレミス配布の両方で利用可能です。QuEraは2024年10月にGoogle Quantum AIから出資を受けた際、量子コンピューティングの実現に必要な量子エラー訂正機能の開発や、同社の戦略ロードマップに沿った新機能の提供など、量子技術の進化を加速させると表明。QuEraは日本での存在感も高い。例えば、昨年は産業技術総合研究所と提携し、256量子ビットのゲート型中性原子量子コンピュータの提供・運用を開始するなど、日本市場での存在感を高めています。
デロイト トーマツは、総従業員数21,000名の総合プロフェッショナル集団として、あらゆるビジネス分野に特化したサービスを提供しています。また、イノベーションの創出にも積極的に取り組んでおり、東京・丸の内にある「デロイト トーマツ イノベーションパーク」では、スタートアップを含む様々な企業・団体が集まり、革新的な技術やビジネスソリューションを共有・実証するハブ機能を設けています。量子コンピューティングの分野では、技術分野や業界の専門家の知見を結集し、ユースケースの開発を推進しています。また、企業向けに量子産業・市場の調査・分析、量子ビジネス展開の企画・構想支援、実証・実装支援を含む技術アドバイザリー、その他実行段階におけるコンサルティングサービスを提供します。さらに、量子技術の社会実装を推進するエコシステムを、日本の産学官プレーヤーと世界で最も早く形成することを目指しており、本活動はその大きな一歩となります。
量子コンピュータの活用により、資源・エネルギー、公共、ライフサイエンス・ヘルスケア、金融、TMT、製造、コンシューマーなど、幅広い業界において、これまで不可能であった社会的課題の解決策を、業界横断的に創出することが可能になると期待されています。 デロイトトーマツ そして クエラ は、量子イノベーションを推進し、現実の課題に即したソリューションを開発するだけでなく、それぞれの強みを活かし、日本の量子エコシステムの基盤強化に貢献していきます。
ソース デロイト