株式会社アイネストキャピタルは、2号ファンドであるアイネスト2号投資事業有限責任組合を通じて、株式会社シングスへ出資いたしました。
シングスは、社内文書に埋もれた技術情報を生成AIでデータベース化する製品知識活用プラットフォーム「PRISM」を提供しています。
シングスは2021年9月に設立され、中堅エンジニアリングプラスチック製造業向けのAI支援PLM(製品ライフサイクル管理)クラウドであるPRISMを提供しています。
2022年の国内PLM市場は前年比5.2%増の2,940億5,900万円(矢野経済研究所調べ)と成長基調にあり、製造業向けDX市場は2023年に3,870億円、2030年に9,060億円(富士キメラ総研調べ)まで拡大する見込み。
2023年5月の正式リリース以来、国内初のSaaSネイティブPLMとして、初心者でも直感的に操作できるシンプルなUIや、導入コストを半額以下に抑える柔軟なカスタマイズ性が評価され、導入企業数を着実に伸ばしています。
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一方、ジェネレーティブAIの急速な進展は、製造業におけるデータ活用のあり方を根本から見直すきっかけとなりました。これまでデータベース化が難しかった図面や文書表型の報告書などの非構造化データがにわかに注目され、CADファイルや部品表管理を中心としたPLMシステムの定義や価値が大きく変わろうとしています。これらの変化は一時的なトレンドではなく、製造現場の情報インフラ再構築を促す構造的な転換点であると捉えています。
シングスは、今回調達した資金を、次世代PLMプラットフォーム「PRISM」の開発と、"モノのデータの民主化 "というミッションの実現を加速させるための優秀なエンジニアやデータサイエンティストの採用に充当します。これまで「PRISM」に蓄積してきた設計情報、保守記録、調達・品質データなどのAI活用を推進するため、AI・RAG技術を活用した機能拡充、エンジニアリングチェーン連携の強化、設計・製造・アフターサービスをシームレスにつなぐプラットフォームの構築を行います。国内外のものづくり企業が抱える課題を解決しながら、「PRISM」の拡大を目指します。
豊富なノウハウとネットワークで成長を支えるアイネストキャピタル
アイネストキャピタルは、先端技術を活用した新産業の創出や社会課題の解決を目指すベンチャー企業の支援を重点投資分野の一つとしています。AIやIoTなどの技術の発展やデータの流通が加速する中、将来のキャッシュフローを生み出す価値の源泉は、有形固定資産から知的財産などの無形固定資産へとシフトしています。
シングス社の最大の強みは、経営陣の製造業領域に関する深い知見、卓越した製品開発力、膨大な設計・調達・品質データをAI/RAGを用いて高度に分析し、短期間・低コストで機能拡張できる組織力であると考えております。これらの能力により、シングスは日本の産業DX企業として、世界の製造業PLM/製造業データプラットフォーム市場をリードするポジションを確立できると考え、今回の出資に至りました。
この資金提供に加えて アイネストキャピタル は、各パートナーの豊富なサポート実績と幅広いネットワークを活かし、シングスの企業価値向上に貢献していきます。
ソース PRタイムズ