株式会社野村総合研究所は、AIを活用した「現状可視化・影響分析サービス」の提供を開始します。本サービスは、「2025年の崖※1」問題によるレガシーシステム※2のモダナイゼーションにおける企業の課題解決を支援するものです。具体的には、NRI独自のノウハウとAIを活用し、現行システムの全体構造を把握するとともに、システム変更による影響を調査・分析します。これにより、効率的かつ効果的なモダナイゼーション計画を支援し、企業の持続的なシステム変革を目指します。
モダナイゼーションを成功させるためには、「現状の見える化」が不可欠です。これは、既存システムの全体像を明らかにし、その機能やデータの流れを具体的に把握する作業です。しかし、多くの企業では、現行システムに技術的負債4が蓄積され、複雑で不透明な部分が残っていたり、システム設計書の不備や手書き、Excel、Wordなど様々なファイル形式が混在していることも影響し、可視化が難しくなっています。その結果、新システムを設計する際に、重要な機能が抜けていたり、システム間の依存関係が把握できなかったりといった不具合が発生。その結果、対応コストの増加やスケジュール遅延のリスクが高まります。
現状の見える化」のポイントは、システムの "リドキュメント化 "にあります。"リドキュメント化 "とは、既存の設計書やコード、マニュアルなどから必要な情報を抽出し、新しいシステムで使える資料に再構築すること。NRIでは、システムの現状把握にAIを活用した "リドキュメント化 "を提案しています。これにより、システム全体のデータの流れを迅速かつ正確に把握し、近代化計画の基礎資料とすることができます。
AIを活用することで、複雑な企業システムのデータフローを効率的に把握し、計画の質を向上させることができます。また、様々なファイル形式の既存ドキュメントをAIが整理・構造化。手作業で作成するよりも高品質なリドキュメントを作成することが可能です。
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また、作成した資料をもとに、最新の効率的なプラットフォームへの移行をサポートします。これにより、企業は効果的な移行戦略を策定し、業務の最適化を図ることができます。NRIでは、すでに多くの企業にリドキュメントを活用した成果物を展開し、システムの現状把握とモダナイゼーション計画の迅速な推進を支援しています。
影響度分析とは、システム変更に伴う影響を分析し、変更範囲やシステム間の結合度を評価するプロセスです。NRIの「影響度分析ツール」は、システム資産間の関係を可視化し、変更の影響範囲やシステム間の結合度を瞬時に示すことができます。これにより、影響範囲を迅速に把握し、必要な作業量を正確に見積もり、システム変更に伴う不具合や障害のリスクを最小化することが可能になります。
NRIでは、現行システムの調査や障害分析、モダナイゼーションにかかる作業量を削減するため、社内のシステム開発で影響度分析ツールの活用を開始しました。
NRI は、AIを活用した「現状可視化・影響分析サービス」「AI再構築」「AIテスト・マイグレーション」などのモダナイゼーション支援サービスを拡充しています。2025年度上期には、AIを活用した開発支援や自動画面テストを実現するサービスを提供する予定です。これらのサービスを通じて、企業の成長と競争力強化を支援してまいります。
ソース NRI