OKIグループの電線事業会社であるOKI電線株式会社(社長:大西 宏明)は、このたび、画像検査装置などのマシンビジョンシステム(注1)用インターフェースケーブルとして、FAKRA(注2)コネクタを搭載した同軸ケーブルを開発しました。ロボットや産業用FA業界をターゲットに、2025年1月からサンプル供給を開始し、2025年3月から量産出荷を開始する予定です。
近年、製造業ではロボットや産業用FA機器による生産自動化が進み、生産設備や検査設備に高解像度カメラが大量に組み込まれるようになってきました。また、目視検査や部品実装に使用される産業用装置では、カメラが製造物などの対象物に追従して移動する機構が一般的になっています。そのため、その動きに耐える耐久性に優れたケーブルの需要が高まっています。
ロボットケーブル製造で培った可動部耐久性に優れたケーブル設計ノウハウと精密ケーブル製造技術を融合、 オーキー 電線は、高速伝送性能を維持し、カメラの動きに対応できる可動部耐久性、狭い場所への設置が可能な細径ケーブルを開発しました。また、小型化、低発熱化を実現し、車載用高速伝送LVDS規格(注3)に適合しています。また、車載用GPSやカメラシステムで使用されている耐振動性、接続信頼性に優れたFAKRAコネクタを採用することで、高速データ伝送と優れた摺動性(注4)を実現しました。
今回開発したケーブルは、固定配線用と可動配線用の2種類。いずれもハイビジョン映像データを約5Gbpsでリアルタイム伝送可能。また、外径約3mmと細径のため、狭い場所での配線も容易です。OKI電線の山口英男社長は、次のように述べています:「本コネクタは、固定配線と可動配線の中継接続(注5)を可能にするため、プラグタイプとジャックタイプの2種類を用意しました。固定部と可動部でケーブルを使い分けることで、移動により摩耗した可動部のケーブルのみを交換することができ、メンテナンスの効率化に貢献します。本ケーブルを使用することで、頻繁に移動するカメラを搭載したロボットや産業用FA機器から高速伝送で映像を取得することができます。
OKI電線は、今後もマシンビジョンの進化を支えるインターフェースケーブルの開発に積極的に取り組み、信頼性の高い高品質なケーブルを提供することで、製造業をはじめとする幅広いお客様のビジネスに貢献してまいります。
特徴
- 産業機器の可動部配線に最適な可動配線用高摺動性ケーブル
- 可動式配線ケーブルは簡単に着脱でき、メンテナンス性が向上します。
- スリムなケーブル径で狭い場所でも配線可能
- IPX7の防水性能
主な仕様
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固定式 |
ムーバブルタイプ |
ケーブル外径 |
標準3mm |
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対応コネクタ |
FAKRA(プラグタイプ、ジャックタイプ) |
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伝送距離 |
最大15m |
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耐久性(参考) |
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スライディング/曲げ1000万回以上(半径37mm) * OKI電線試験条件による |
用語解説 |
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注1 |
FAKRA (FAchKReis Automobil) |
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自動車テレマティクスアプリケーション用標準インターフェースコネクタのドイツ規格。FAKRAコネクタは、今後、自律走行や先進運転支援システムのカメラやセンサーからの大容量データ伝送用として普及が見込まれています。 |
注2 |
マシンビジョン |
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プリント基板実装機や製品ラベル貼付機などの装置において、複数のカメラ、光源、撮像装置、画像処理装置を用いて外観不良や印刷不良を検出するシステム。 |
注3 |
車載用高速伝送 LVDS(低電圧差動信号)規格 |
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ADAS(先進運転支援システム)などの車載カメラで使用される伝送規格。他にGVIF(ギガビット・ビデオ・インターフェイス)、GMSL(ギガビット・マルチメディア・シリアル・リンク)などがあります。 |
注4 |
スライディング |
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U字型に曲げられ直線的に摺動するケーブルの反復往復運動 |
注5 |
リレー接続 |
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固定配線ケーブルのコネクタと可動配線ケーブルのコネクタを接続するため |
ソース ビジネスワイヤー