北米における経常事業の加速と電動化製品の拡大
株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、このたび、米国イリノイ州に本社を置き、北米で大型モータの販売・保守サービス事業を展開するJoliet Electric Motors, LLC社(本社:米国イリノイ州、以下、Joliet社)を、1月17日付で3ファンド*1より買収しました。今後、株式会社日立産機(以下、「日立産機」といいます。(今後は、大型産業機器事業を手掛ける日立産機プロダクツ株式会社(以下、「日立産機プロダクツ」)がジョリエット社の事業を運営していきます。
ジョリエット社は、北米のエネルギー・重工業分野向け大型モーターの販売・保守サービス事業(修理・リビルド)で90年の実績があります。ジョリエット社は、2002年以降、日立産機との石油掘削向け販売代理店提携を強化してきました。今回の買収により、日立産機は、北米における大型産業機械の販売拡大によるストックビジネスの強化、既存製品の保守サービス事業の強化、他社製品の保守サービス事業への参入を図ります。また、Joliet社の販売チャネルを通じて電動化製品を開発・提供することで、エネルギー起源のCO2排出削減に貢献することを目指します。
本取得の目的と意義
米国エネルギー情報局の2023年エネルギー見通しによると、米国では電化の進展、設備の効率化、再生可能エネルギー発電の拡大により、エネルギー源からのCO2排出量は2050年までに減少すると予想されています。しかし、石油と天然ガスの生産量は、世界的な需要の高まりにより、2050年まで増加し続けると予測されています。
日立産機は、2002年よりジョリエット社との提携により北米エネルギー市場に参入し、約1,100台の大型モーターを納入してきました。今回の買収により、日立産機は、納入製品のメンテナンスが大幅に増加するのに先立ち、現地の保守サービス拠点を獲得します。また、日立産機は、Joliet社と連携し、北米の日立グループ製品に搭載されている風力発電機および大型モーター約7,000台の保守サービス業務を行います。日立産機は、ジョリエット社の販売チャネルを活用し、掘削から精製、貯蔵、輸送に至るエネルギー資源の上流・下流工程で使用される電動化製品を顧客ニーズに合わせて開発・提供することで、化石燃料エンジンから電動化製品への転換を加速し、エネルギー起源のCO2排出削減に貢献することをめざします。
また、日立産機では、他社製品も含めたジョリエットの強みであるリペア・リビルド事業を通じて、高効率機器へのリプレースを提案するとともに、CO2排出量管理や回収、再生・再利用などのストック型ビジネスの拡大を図っていきます。今後、日立産機では、電動化製品の稼働データをセンシングデバイスで収集し、日立グループのLumada*2を活用して、メンテナンスエンジニア向けアプリケーションの開発を目指します。また、保守サービスを通じて得られた知見やデータをもとに、お客さまの潜在的なニーズを把握し、AIを活用した設備設計やエネルギー最適化業務の提案を行っていきます。
ソース 日立