株式会社エレベーションスペースと豊田自動織機株式会社は、宇宙実証機が地球に帰還する際の大気圏再突入システムに使用する耐熱材料の共同開発を開始します。 エレベーションスペース 豊田自動織機株式会社は、宇宙で研究・開発された素材を地球に持ち帰る大気圏再突入・回収技術に取り組む国内初の民間企業です。今回の共同開発では、豊田自動織機が保有する炭素繊維の3次元織物技術を活用し、大気圏再突入時の高温環境に耐える軽量・低摩耗・低コストの耐熱材料を研究開発します。
民間主導の宇宙ビジネス市場が拡大する中、大気圏再突入・帰還技術は宇宙活動に不可欠なインフラであり、さらなる進化が期待されています。特に、大気圏再突入・帰還時に再突入機には厳しい熱負荷がかかるため、高性能な熱防護技術が求められます。大気圏再突入時に各部品にかかる熱負荷は異なりますが、現在実用化されている熱防護技術は、最大熱負荷に見合った材料と厚さで再突入機全体を覆うことが一般的であり、過剰設計による熱防護システムの重量増加が軽量化の大きな障害となっています。
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豊田自動織機株式会社 は、独自の繊維機械事業で培った織布・紡糸技術を活かし、自動車・航空宇宙・宇宙産業向けに炭素繊維を用いた高付加価値3Dテキスタイル技術の開発を進めています。3Dテキスタイルの特長であるデザインの自由度を生かし、大気圏再突入機の各部にかかる熱負荷に応じて最適な密度で織ることで、軽量で摩耗の少ない耐熱素材を開発します。軽量化はロケット全体の打ち上げコスト低減に貢献し、大気圏再突入時の摩耗低減は地球衝突地点の予測精度の向上が期待できます。
ソース PRタイムズ