バイオテクノロジー新興企業 テンセグリティ・ファーマ は31日、1億5,000万円のシード資金調達を発表。このラウンドには三菱UFJキャピタルも参加しており、2024年11月のニュートンバイオキャピタルからの5億円と合わせて、シードラウンドの累計資金調達額は6億5,000万円となりました。
2023年3月に設立された同社は、戦略的に開発が中止された新薬候補を評価・回収するビジネスモデルを展開しており、独自の創薬視点を活かし、グローバルな探索的臨床開発試験を通じて価値の最大化を図っています。
現在開発中の TSP-101 は、アステラス製薬から受け継いだ前臨床開発品であり、悪液質治療薬としての 開発を目指しています。悪液質は、がん、心臓病、感染症などの慢性疾患に伴う体重減少を特徴とする症候群です。その病態は完全には解明されておらず、統一的な治療法や承認された治療薬はありません。
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特に、がんに関連した悪液質は、通常の栄養補給では回復が困難な多因子疾患であり、持続的な骨格筋の減少が主な特徴です。同社によると、この合併症はがん患者の約80%に現れ、体重減少や食欲不振を引き起こし、化学療法の効果の低下、副作用の増加、治療の中断などの問題につながります。
TSP-101は、悪液質の発生頻度が高い様々な癌で過剰発現している特定因子のシグナルを遮断し、癌由来の全身性炎症反応を抑制することによる抗悪液質作用と、癌微小環境の改善による抗癌作用が期待されます。当社は、今回の資金調達により、TSP-101の臨床第1/2相試験への早期移行と、臨床POC(Proof of Concept:創薬概念の検証)の早期取得を目指します。
ソース ブリッジ