糖ペプチドを新たな創薬ターゲットとして、未だ治療法の確立されていない疾患に対する医薬品開発を目指すエンユファーマ株式会社は、2024年12月に京都大学イノベーションキャピタル株式会社、大鵬イノベーションズ合同会社、株式会社DGインキュベーション、株式会社北海道共創パートナーズを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額4億円のシードラウンド資金を調達しました。また、京都大学イノベーション・キャピタル株式会社の辻村剛氏、大鵬イノベーションズ合同会社の森文隆氏が新たに社外取締役に就任いたしました。
本資金調達の目的
今回の調達資金は、北海道大学大学院の西村真一郎教授が発見した糖ペプチドを標的とした画期的な抗原提示法に基づく、選択性の高い抗体医薬を創製する技術の実用化に向けたキックオフ資金として活用されます。具体的には、がんだけでなく、自己免疫疾患や認知症など幅広い疾患に対して、必要な人に必要な薬を迅速に届けることを促進するための資源として活用されます。
こちらもお読みください: NECとバイオミー、デジタル病理分野における解析プラットフォームの開発・拡大で提携
関係者からのコメント
代表取締役社長 安井忠良
今回の資金調達を完了できたことを非常に喜ばしく思っており、投資してくださったすべての企業に心から感謝申し上げます。
当社は2019年の創業以来、長年研究してきた糖鎖解析技術や抗原提示法を医薬品研究開発に応用できるよう、精度・機能・技術の向上に努めてまいりました。疾患特異的な糖鎖構造の役割の解析は、他社を凌駕するレベルに達していると考えております。
次のステージは、私たちの技術を医薬品開発に応用することであり、そのためにも今回の資金調達は不可欠でした。この資金とステークホルダーの皆様のご指導のもと、より有効な抗体医薬品を一日も早く患者さんにお届けできるよう、全力を尽くしてまいります。
京都大学イノベーション・キャピタル株式会社 投資部 部長 辻村剛氏
エンユファーマ株式会社は、独自の糖鎖解析技術を駆使し、新たな創薬ターゲットを発見する能力を有しています。この技術は、疾患における糖鎖の構造的役割を深く理解することで、これまで治療が困難であった領域においても画期的な抗体医薬の開発を可能にします。また、当社の抗体作製技術は、これまで入手が困難であった高精度な糖鎖特異的抗体を取得することで、疾患特異性・組織特異性を高めた医薬品抗体を迅速かつ効率的に作製し、抗体医薬の概念を大きく変える可能性を秘めています。
京都大学イノベーションキャピタル株式会社は、本出資を通じて、がんをはじめとするアンメットメディカルニーズの高い難治性疾患に対する新たな治療法の実現に貢献することを目指します。特に、糖鎖解析技術を用いた新たな創薬ターゲットの発見と、それに基づく疾患特異的な抗体医薬の開発は、これまで治療の選択肢が限られていた患者さんに希望をもたらすものと確信しております。
森 文隆 パートナー、Taiho Innovations LLC
2年前にエンユファーマのことを初めて知った時、疾患特異的な動的エピトープ(糖ペプチド)を捉えることで、従来困難であった創薬を可能にする革新的な技術に深い感銘を受けました。以来、創薬のアプローチや実施体制について何度も議論を重ね、今回、投資という形で一緒に創薬にチャレンジできることを心から嬉しく思っています。Enyu Pharmaの創薬プラットフォームは、がんの早期診断と治療介入を可能にし、完治という壮大な夢を実現する可能性を秘めています。大鵬薬品工業は、世界中の患者さんの笑顔のために、その夢の実現に向けて全力でサポートしてまいります。
ソース PR TIMES