伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は、金融機関向けに業務アプリケーションとシステム基盤を提供するクラウド型サービス「C-NOAH(シーノア)」を発表しました。23日に発表した同サービスは、与信管理や融資支援アプリケーションのほか、金融業界の厳しいセキュリティ基準に対応したセキュアなシステム基盤をSaaS(Software as a Service)型で提供するもの。
C-NOAHは、金融機関の業務効率化に不可欠なアプリケーションとハイグレードなインフラを提供します。ユーザーは、CTCが開発した与信管理および融資プロセス用のツール群に加え、AIが生成する議事録やチャット機能などの機能を含む10のAI搭載モジュールから選択することができます。これらのモジュールは柔軟なカスタマイズが可能なため、企業は自社の業務ニーズに合わせてサービスを利用し、新たなアプリケーションを開発することができます。
システムインフラは、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)など、複数の主要なクラウドプラットフォームをサポートしています。また、マルチクラウド構成も容易なため、企業は特定の目的に合わせてさまざまなサービスを組み合わせることができます。金融グレードのセキュリティ、システム監視、運用管理が標準サービスとして利用可能です。さらに、独自のアプリケーションを開発する企業は、PaaS(Platform as a Service)モデルでインフラを活用できます。
C-NOAHの特筆すべき点は、SSM(Small Specialist Models:専門的な業界やタスク向けに微調整された比較的コンパクトな生成AIシステム)をサポートしていることです。複数のSSMを統合することで、企業はデータ抽出やリスク分析など、高精度でカスタマイズされた洞察を得ることができます。また、このシステムには「AIエージェント」機能が搭載されており、与えられたタスクに対してAIが自律的に最適なSSMを選択することができます。このダイナミックなメカニズムにより、コンテキスト、背景、状況のニュアンスに適応することで、複雑なオペレーションを処理するシステムの能力が強化され、最終的にオペレーションの効率が向上します。
このサービスはサブスクリプション・モデルで運用され、月額料金はアプリケーションの数と利用するインフラストラクチャの量によって決まります。このアプローチにより、インフラ開発やアプリケーション作成に伴う初期費用を最小限に抑え、迅速な展開と拡張性を実現します。
CTCはC-NOAHの展開により、3年以内に30億円の売上を達成する目標を掲げています。